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ノートがコードを実行し、声がメールを送り、AIがさらに安く速く動く:2026年7月AI最新情報3選
2026年7月第3週、AI業界が短期間に3つの実質的な変化を打ち出した。
GoogleはNotebookLMを「Gemini Notebook」に改名し、コード実行機能を追加した。AnthropicはClaudeボイスモードを大幅に拡張し、声でGmailを送信したりSlackメッセージを作成したりできるようになった。そしてGoogle DeepMindはGemini 3.6 Flashを発表し、「より速く、より安いAI」の基準を再び引き上げた。これら3つのアップデートは単なる機能追加ではない。AIが「説明するもの」から「実行するもの」へと移行する流れを明確に示している。
目次
- NotebookLM → Gemini Notebook:ノートがコードを実行しはじめた
- Claudeボイスモードの進化:声が実際のツールを動かす
- Gemini 3.6 Flash:より安く、より速く、より正確に
- 3つのアップデートが示す方向性
1. NotebookLM → Gemini Notebook:ノートがコードを実行しはじめた
2026年7月16日、GoogleがNotebookLMを「Gemini Notebook」として公式に改名した。名前だけが変わったのではない。
NotebookLMは2023年にGoogleが発表したAIベースのリサーチノートツールだ。アップロードした文書をもとに要約し、質問に答える「知識アシスタント」だった。今回のリブランディングとともに、3つの主要機能が追加された。

ノートの中でコードが動く
各ノートブックに、独立したクラウドコンテナが割り当てられた。「このデータで統計分析をして」と入力すると、Gemini NotebookがPythonコードを自動作成・実行し、結果をノート内に表示する。コードを1行も書く必要はない。グラフ生成、データ変換、PDF抽出などの作業を文書のコンテキスト内で直接処理できる。
従来のNotebookLMが「このようにすればできます(説明)」だったとすれば、今は「結果はこちらです(実行)」に変わったということだ。
Geminiアプリとの同期
ノートブックがGeminiアプリと連携する。作成したリサーチノートにGeminiアプリから直接アクセスでき、AI検索モードでも自分のノートブックの内容が検索結果に含まれるようになる。
利用可能範囲
コード実行機能と成果物生成機能は、現在Google AI Ultraサブスクライバーと一部のWorkspace Enterpriseユーザーに提供されている。Google AI Pro Webバージョンへは数週間以内に順次展開予定。
教育者・研究者にとっての変化
講義資料をアップロードして「この内容で5択問題を10問作って」と言えば、Gemini Notebookが問題を作成する。「参加者の回答データを分析して」と言えば、統計コードを実行し結果表を生成する。ツールを切り替えることなく、リサーチ・分析・成果物作成がノート1か所で完結する。
「ノートブックがコード実行環境になったということは、Jupyter NotebookとGoogle Docsの間にあった空白をGoogleが埋めたということだ。」
2. Claudeボイスモードの進化:声が実際のツールを動かす
2026年7月23日、AnthropicがClaudeボイスモードのアップデートを発表した。最大の変化は2つ:モデル選択とクロスアプリ連携。
これまでClaudeボイスモードはデフォルトでHaikuモデルのみで動作していた。速いが、複雑な分析や長い議論には限界があった。今回のアップデートでOpusとSonnetがボイスモードに加わった。

会話中にモデルを切り替えられる
ボイス通話中にモデルピッカーが表示されるようになった。Haikuで素早く開始し、複雑な分析が必要になったらOpusに切り替えることができる。テキストチャットで最後に選択したモデルがボイスモードのデフォルトに引き継がれる。
声でGmailを送り、Slackにメッセージを投稿
クロスアプリ連携がメインのアップデートだ。連携可能なサービス:
- Google:Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント
- Slack:メッセージの作成・送信
- Canva:デザイン作業のトリガー
- Notion:メモの追加・更新
「今日の午後3時にチームミーティングの予定を入れて」と言えば、Googleカレンダーにイベントが作成される。「昨日の会議の要約をSlackの#generalに送って」と言えばSlackメッセージが送信される。
対応言語
現在の対応言語:英語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語(計10言語)。
プランごとの違い
| 区分 | 無料 | 有料(Pro以上) |
|---|---|---|
| 利用可能モデル | Haiku | Haiku、Sonnet、Opus |
| アプリ連携 | シングルアプリ | マルチアプリ |
| 対応言語 | 英語 | 10言語 |
活用のヒント
朝、ボイスモードで「今日の予定を整理して」と言えば、カレンダーから日程を取得して音声でブリーフィングしてくれる。会議後に「今の内容をまとめてNotionに保存して」と言えばメモが自動生成される。手が使えない状況(移動中、料理中)で特に便利だ。
「ボイスモードが『声で会話するAI』から『声で仕事を処理するツール』に変わった。アシスタントと話すのではなく、アシスタントに業務を委任するのだ。」
3. Gemini 3.6 Flash:より安く、より速く、より正確に
2026年7月21日、Google DeepMindがGemini 3.6 Flashをリリースした。同日、Gemini 3.5 Flash-LiteとGemini 3.5 Flash Cyberも公開された。
Gemini 3.6 FlashはGoogleが「ワークホースモデル」と呼ぶ日常業務向けの主力モデルだ。速度と効率が設計の中心にある。

主なスペック
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| コンテキストウィンドウ | 100万トークン |
| 最大出力 | 64,000トークン |
| 知識カットオフ | 2026年3月 |
| 入力価格 | 100万トークンあたり$1.50 |
| 出力価格 | 100万トークンあたり$7.50 |
3.5 Flashとの比較
- トークン効率:出力トークンを平均17%削減。同じ内容をより簡潔に表現することでコスト削減に直結する。
- コーディングベンチマーク向上:コード生成、デバッグ、長文コンテキスト処理で前モデルより高いスコア。
- マルチモーダル入力:テキスト、画像、動画、音声、PDFすべてに対応。
- 出力価格引き下げ:3.5 Flashの出力価格は100万トークンあたり7.50と17%安くなった。
Gemini 3.5 Flash Cyber:サイバーセキュリティ専用モデル
同日公開の3.5 Flash Cyberは、脆弱性の発見・修正に特化したモデルで、現在は政府機関と信頼パートナーのみに独占提供されている。
開発者・個人事業者にとっての実用的な意味
APIでGemini 3.6 Flashを使う開発者なら、同じ作業のコストが自動的に下がる。特に長文要約、コード生成、文書分析など出力トークンが多い作業で差が大きい。1億トークンの出力を月間で処理する場合、3.5 Flash比で約150ドルの節約になる。
「GoogleがGemini 4を予告しながらもFlashラインナップを更新し続けるのには明確な理由がある。実際の開発者が最もよく使うのはフラッグシップモデルではなく、最もコスト効率の良い中間モデルだからだ。」
4. 3つのアップデートが示す方向性
3つのアップデートの共通言語を見つけるとすれば、こうだ。AIが「説明するツール」から「実行するパートナー」へ移動している。
Gemini Notebookは「このように分析すればよい」から「分析を実行しました」に変わった。Claudeボイスモードは「このようにメッセージを書いてください」から「メッセージを送信しました」に変わった。Gemini 3.6 Flashは同じ作業をより低コストでより速く処理する。
教育者の立場から見ると、この変化はAIツールを教える方法そのものを再考させる。「プロンプトをどう書くか」から「どのツールをどの状況にどう連携させるか」へと問いが移動しているからだ。
活用ヒントまとめ
| ツール | おすすめの活用場面 |
|---|---|
| Gemini Notebook | 論文・報告書の分析+データ可視化を一箇所で |
| Claudeボイス(Opus) | 移動中の会議準備、スケジュール管理、会議後の要約自動化 |
| Gemini 3.6 Flash API | コスト重視のサービスにおける長文生成・要約タスク |
参考情報
- Google continues its renaming streak by turning NotebookLM to Gemini Notebook — TechCrunch
- NotebookLM is now Gemini Notebook, with 3.5 + Antigravity upgrade — 9to5Google
- Anthropic updates Claude voice mode with more capable models — TechCrunch
- Claude Voice Mode: Opus, Sonnet, Tools, and 11 Languages — ExplainX
- Google releases three new Gemini models — TechCrunch
- Introducing Gemini 3.6 Flash, 3.5 Flash-Lite, and 3.5 Flash Cyber — Google Blog