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Claude Codeの新しい目 — Agent Viewと/goalコマンドでAIがゴールまで走り続ける
「どこがゴールかわからないまま全力で走れ」と言われたランナーはどうなるだろうか。欣命に走ることはできても、いつ止まるべきかわからない。これがAIコーディングツールの根本的な限界だった。
2026年5月11日、AnthropicがClaude Code v2.1.139をリリースした。今回の目玉は2つ——Agent Viewと**/goalコマンド**だ。表面上はUIの改善とコマンドの追加に見えるが、実際にはAIコーディングツールの動作哲学そのものを変える変更だ。
Agent View:すべてのセッションを一画面で

AIコーディングツールを使い込むと、すぐに壁にぶつかる。機胾Daはセッション1で、バグ修正はセッション2で、ドキュメント作成はセッション3で——並行作業が増えると、どこで何をしているのか把握すること自体が作業になってしまう。
Agent Viewはこの問題を正面から解決する。
ターミナルで claude agents と入力するか、左矢印キーを押すと、起動中のすべてのClaude Codeセッションが一覧として表示される。各行には4つの情報が示される。
- セッションID:どのセッションかを識別
- 待機状態:自分の入力を待っているかどうか
- 最後の応答:AIが直近に出力した内容
- タイムスタンプ:最後のやり取りの時刻
航空管制塔が複数の航空機を同時に監視するように、開発者はすべてのAIエージェントセッションを一か所から管理できる。
Agent Viewは現在リサーチプレビュー段階で、Pro・Max・Team・Enterprise・Claude APIプランのユーザーが利用可能。
/goal:AIがゴールを知って走る
今回のアップデートで最も興味深い機能は**/goalコマンド**だ。
これまでのClaude Codeの使い方はこうだ。自分が指示を出し、AIが1ステップ実行して止まる。次のステップが必要なら、また自分が入力する。AIは優秀な実行者だが、最終的な目標を自律的に追跡することはなかった。
/goalはこのパラダイムを逆転させる。
/goal すべてのテストをパスし、CIパイプラインがグリーンになること
このコマンド一つで、Claude Codeは条件が満たされるまで自動的に繰り返し実行される。テストが失敗すれば原因を分析してコードを修正する。再度テストを実行する。まだ失敗するなら別のアプローチを試みる。条件を満たすまでこのループを続ける。
作業中は画面にオーバーレイパネルが表示される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 経過時間 | タスク開始からの時間 |
| ターン数 | AIが実行したステップ数 |
| 使用トークン | コスト追跡用のトークン消費量 |
最大時間、最大ターン数、トークン予算などの制約も事前に設定できる。/goalはインタラクティブモード、-pフラグモード、Remote Controlモードすべてで動作する。
実践シナリオ:/goalが輝く場面
/goalが実際にどう使われるか、いくつかのシナリオを考えてみよう。
シナリオ1:レガシーコードの移行
/goal すべてのCommonJS require()がES Moduleのimportに置き換えられ、
npm run buildがエラーなく完了すること
何百ものファイルを手動で変換する代わりに、目標を宣言するだけでAIが達成条件に向かって走る。
シナリオ2:テストカバレッジの確保
/goal 新機能モジュールのテストカバレッジくが80%以上であること
どんなテストが必要か、どう書くべきかをAIが自律的に判断して実行する。
シナリオ3:アクセシビリティの改善
/goal Lighthouseのアクセシビリティスコアが95点以上であること
スコア確認→修正→再測定のループをAIが自動で回す。
EdTech CEO視点:「目標志向学習」との接点
教育では「プロセス中心の学習」と「結果中心の学習」の議論がある。/goalコマンドは明確に結果志向だ。「これをしなさい」ではなく「この状態が達成されなければならない」と宣言し、AIが自ら経路を見つける。
学習設計に示唠がある。「第1章を読みなさい」と指示するのと「この概念を自分の言葉で説明できるようになること」と目標を設定するのでは、根本的に異なる。AIツールが目標志向に進化するなら、教育設計も同じ方向を考えるべき時だ。
ただし注意も必要だ。AIが複数ターンにわたって目標に向かって走る中で、開発者がそのプロセスを十分に理解していなければ、コードがなぜそうなったのかわからない状況が生まれかねない。バイブコーディング世代には特に重要な問いだ。
活用のヒント
Agent Viewを開く:
claude agentsを入力するか左矢印キーを押す。実行中のセッションと待機中のセッションを把握することから始めよう。/goalは検証可能な形で書く: 「うまく動くこと」は曖昧。「すべてのユニットテストをパスすること」は明確。ゴールラインを正確に定義するほど、AIはそこに効率的に輿り着く。
制約を先に設定: 初めて使うときは最大ターン数やトークン上限を低めに設定しよう。間違った方向に走り始めた時に早期に止められる。
大きな目標を分解: 検証可能な中間目標を複数設定する方が、一つの巨大な目標よりも効果的だ。/goalを段階的に繰り返す方法を推奨。
Agent View + /goalの組み合わせ: 複数の目標を並行して進めながら、Agent Viewで全体状況をモニタリングするのが真のマルチエージェントワークフロー。
出典
- Anthropic公式ブログ, "Agent view in Claude Code": https://claude.com/blog/agent-view-in-claude-code
- Claude Code Docsチェンジログ: https://code.claude.com/docs/en/changelog
- ClaudeWorld, "Claude Code v2.1.139: Agent View, Goal Setting, and Enhanced Workflow Control": https://claude-world.com/articles/claude-code-21139-release/
- pasqualepillitteri.it, "Claude Code Agent View: the CLI Dashboard": https://pasqualepillitteri.it/en/news/2384/claude-code-agent-view-cli-dashboard-sessions-2026
- Releasebot, "Claude Code Updates by Anthropic - May 2026": https://releasebot.io/updates/anthropic/claude-code