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Notion 3.4:声でAIに指示し、Skillsで繰り返し作業をなくす

毎日同じ指示をAIに繰り返しているなら、まだそのツールはあなたのやり方を知らないのかもしれない。

Notionが2026年4月に発表した2つの機能は、まさにその問題に向き合っている。ひとつはAIプロンプトに音声で入力する機能、もうひとつはよく使うAIワークフローをSkillsとして保存する機能だ。単体では改善に見えるが、組み合わさると、Notionはこれまでとは別の何かに変わる。


音声入力:ついにNotionで声でAIと話せる

NotionのAIプロンプト音声入力画面

2026年4月6日にリリースされたこの機能は、シンプルだ。macOSとWindowsのデスクトップアプリで、AIプロンプトの入力欄にカーソルを合わせて指定のショートカットキーを押すと、マイクが起動する。話せば1秒以内にテキストに変換されてAIに送られる。

重要なのは対象範囲だ。この機能はAIプロンプト専用であり、通常のドキュメント編集に使う音声入力ではない。インラインAI、サイドバーチャット、ミーティングノートなど、Notion AIが動作する場面でのみ使用できる。

実際の場面を想像してほしい。会議が終わった直後、ノートパソコンを開いてタイピングせずに声で言う。「今日の会議の内容をまとめて、アクションアイテムを3つ出してほしい。来週の金曜までに期限があるものは別途フラグを立てて。」すると、Notion AIが処理してくれる。

音声認識のパイプラインはサーバーサイドで動作し、1秒未満のレイテンシーを実現している。専門用語や製品名も精度よく認識するが、略語(アクロニム)は手動修正が必要な場合もある。


AI Skills:「いつもやること」を一言で呼び出す

Notion AI Skillsの設定画面

Skillsは2026年4月14日、Notion 3.4パート2と共にリリースされた。

コンセプトは直感的だ。「Notion AIによく頼むこと」をSkillとして保存し、次回からはSkill名を呼ぶだけで実行できる。例えば:

  • 「週次まとめ」:今週書いたドキュメントをすべて確認し、完了・進行中・翌週繰り越しに分類してほしい。
  • 「チームブリーフィング草稿」:選択した資料をチームの文体で3段落のブリーフィングにまとめてほしい。
  • 「会議前チェックリスト」:関連ドキュメントを検索し、今日の会議で確認すべき重要ポイントを5つ抽出してほしい。

これらを毎回長いプロンプトで入力する代わりに、Skill名ひとつで実行できる。

教育現場で考えると、この違いは明確だ。教員が「学生フィードバックテンプレート作成」というSkillを作れば、課題が変わってもSkillを呼ぶだけで一貫した形式のフィードバックが出来上がる。教育内容が変わってもプロセスは安定する。


Notion Agentの拡張連携:カレンダー、メール、Slack

今回のアップデートでNotion Agentの連携も拡張された。今ではこんな指示が可能だ。

「来週のカレンダーを確認して、重要な会議の前日にSlackで準備メモを送ってほしい。」

カレンダー、メール、Slackとの連携が加わり、Notion AgentはNotionの中だけで動くツールではなくなった。実際に使っているツール間を横断して情報を収集・整理し、必要な場所に届けてくれる。

インラインドキュメント編集も追加された。以前はAIが修正を提案すると、コピー&ペーストが必要だった。今ではテキストを選択するとAgentがその場で直接編集してくれる。


カスタム会議ノートの指示設定

4月のアップデートで静かに追加された重要な機能がもうひとつある。AIミーティングノートにカスタム指示を設定できるようになった。

これまでNotionが自動生成する会議要約のフォーマットをユーザーが変更することはできなかった。今ではワークスペース管理者が「常に決定事項とネクストアクションを別セクションで表示し、200字以内でエグゼクティブサマリーとしてまとめてほしい」などの指示を追加できる。チームごとに会議ノートの形式が違うが、AIがその多様性に対応できるようになった。


EdTech CEOとして見る視点

Skillsの登場を見て、ひとつの考えが繰り返し浮かぶ。人とAIツールの関係が逆転しつつある。

これまでは自分がツールに適応していた。プロンプトの書き方、制限、癖を学び、それに合わせてきた。Skillsはこれを逆にする。自分の仕事の仕方をツールに教えれば、ツールがそのパターンで動く。単なる自動化ではなく、「自分を知るAIツール」への転換だ。

教育現場では、この違いがより鮮明に現れると思う。学校ごと、教員ごとにフィードバックのスタイルが違い、レポートの形式が違い、学習目標の整理の仕方が違う。Skillsは、AIがその多様性を尊重できるようにするツールだ。

ひとつだけ強調したい。Skillsはプロセスを自動化するが、中身の質は変えない。ワークフローが速くなっても、その中に込める思考の深さは依然として自分の責任だ。


活用のヒント

  1. 最初のSkillを作る:最もよく入力するAI指示を1つ選び、Skillとして保存しよう。「毎週月曜日の週次まとめ」のようにシンプルで繰り返しの多いものから始めると効果を実感しやすい。
  2. 音声入力の最適な場面:会議直後、移動中、タイピングが不便な状況で使おう。文脈が消える前に素早く思考をキャプチャするのに効果的だ。
  3. チーム全体でSkillsを共有する:全員が同じSkillを使えば、アウトプットの形式が統一され、協業の効率が上がる。管理者アカウントからチームSkillを定義して共有しよう。
  4. カレンダー連携から試す:「今週の重要イベントをまとめ、各イベントの準備事項を整理してほしい」とNotion Agentに聞いてみよう。週間計画の作成時間を大幅に短縮できる。

出典

Notion 3.4:声でAIに指示し、Skillsで繰り返し作業をなくす | MINSSAM.COM